山吹家の朝

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ちょっとしたコンサートみたいになった。 「お~。今日も人が結構来たな」 辛夷がベランダに来て下を覗いた。 「…おはようございます。辛夷兄さん。桜」 椿は自分の眼鏡をかけ、2人にニコッと爽やかに笑った。 「おはよっ!椿お兄ちゃん!」 「ふぁ…。隣にいないと思ったら歌ってたんだねぇ」 そう言って桜に抱きついたのは、桐。 「うん、おはよ!桐お兄ちゃん!」 「おはよぉ~。むぎゅ~…」 こう見えて学校では、本当にクールである。 「妹の歌声を毎朝聞いて目覚めるのは、本当に良い気分だ…」 薔は薔薇を持って起き上がった。 「薔お兄ちゃんもおはよ!」 「ああ。おはよう」 ガバッ! 「んあ゙!?この歌、初めて聞いたぞ!?」 凄いいびきをかいていた胡蝶花が布団から飛び出した。
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