秘密

4/8
430人が本棚に入れています
本棚に追加
/151ページ
「…よろしくお願いします」 「よろしくッス!山吹さんに聞きたいことがあるんですけど、聞いてもよろしいでしょうか?」 「"山吹さん"なんて言わなくて良いぞ。気軽にかいちゃんと呼んでくれ!!それで聞きたいこととは?」 「分かりました!かいちゃんは何でここの花を触っても枯らしたりしないんですか?」 質問され、海棠は五分ほど黙ってから口を開いた。 「俺の嫁と愛し合ったからさ」 「…お母さんと?」 「ああ。お前ら、今から紫苑と薊ちゃんを呼んで来てくれ。大事な話をする」 海棠は真剣な顔で桜とお兄ちゃんたちを見つめた。 「わ、分かりました!」 彼らは急いで家を出て、三分で二人を連れてきて戻って来た。 「…何。このおじさん?」 「いったい何の話だ…って海棠!?いつ帰って来たんだ!?」 紫苑の父親、鈴白 薊(すずしろ あざみ)は何年振りかに帰ってきた海棠に驚きを隠せない。 「え…、桜のお父さん!?」 紫苑は土だらけの海棠を見て始めは分からなかったが、自分の父親の反応を見て理解した。
/151ページ

最初のコメントを投稿しよう!