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「…よろしくお願いします」
「よろしくッス!山吹さんに聞きたいことがあるんですけど、聞いてもよろしいでしょうか?」
「"山吹さん"なんて言わなくて良いぞ。気軽にかいちゃんと呼んでくれ!!それで聞きたいこととは?」
「分かりました!かいちゃんは何でここの花を触っても枯らしたりしないんですか?」
質問され、海棠は五分ほど黙ってから口を開いた。
「俺の嫁と愛し合ったからさ」
「…お母さんと?」
「ああ。お前ら、今から紫苑と薊ちゃんを呼んで来てくれ。大事な話をする」
海棠は真剣な顔で桜とお兄ちゃんたちを見つめた。
「わ、分かりました!」
彼らは急いで家を出て、三分で二人を連れてきて戻って来た。
「…何。このおじさん?」
「いったい何の話だ…って海棠!?いつ帰って来たんだ!?」
紫苑の父親、鈴白 薊(すずしろ あざみ)は何年振りかに帰ってきた海棠に驚きを隠せない。
「え…、桜のお父さん!?」
紫苑は土だらけの海棠を見て始めは分からなかったが、自分の父親の反応を見て理解した。
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