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「そういえば、もうすぐ5時だけど、沙羅部活大丈夫なの?」
私が時計を指差すと、沙羅は慌てた様子で返事をする
「あ、やばいかも。」
沙羅は中学の時からソフトテニス部に入っていて、
中体連では全国大会に出場しているほどの実力
だから高校に入ってもすぐに部活のエースとして活動している
そのためかは分からないけど、顧問の先生も力を注いでおり
活動時間は朝練習一時間と放課後5時から8時までというハードスケジュール
もちろん、土日も部活のため沙羅とプライベートであまり会うことはない
「舞桜―、私先に行くよ。」
気がついたら沙羅は既に鞄を持って教室を出ようとしていた
私たちの他にはもう誰も残っておらず、流石に一人教室にいるのは寂しい
「待って!私も途中まで一緒に帰るから。」
慌てて自分の鞄を取り小走りで教室を出る
既に廊下を歩いていた沙羅の隣に並び、階段を下りていく
いつもと変わらない日常
それが、今日で終わりを迎えることを
私はまだ、知らなかった
沙羅と分かれて、私は帰路を歩いていた
今日は朝から雨が降っていたから、自転車を諦めてバスで学校まで来た
本当は遅刻しそうになったのは、沙羅には絶対黙っておこう
帰りは交通費の節約も兼ねて、歩いて帰ることにした
学校から家まで徒歩20分くらいだからそこまで負担でもない
気長に帰ろうと携帯を取り出す
「あれ、お母さんからだ。」
画面を見ると丁度お母さんからの着信画面になっていた
普段はこの時間帯に連絡はしないんだけど
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