プロローグ

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「やあ、拓也。元気に部長してるか?」 そう言って部屋に入ってきたのは部員の西川 康太(にしかわ こうた)だった ちょっとつり目でクールな外見に惹かれ集まってくる女子も多く、アイドルみたいな扱いをされている 物知りでIQも高い 鼻が高いとか顔のパーツの配置が黄金比だとか外見の特徴を挙げれば切りがないが、一番特徴的なことは彼が白いことだろう 比喩ではなく本当に白い 本人によるとどうやらアルビノらしい 以上の理由で皆から一目置かれている え?僕? ちょっと冴えない顔立ちで無駄な雑学しか知りませんけど何か? 「ああ、おかげさまでな」 僕は手元の本から目線を離さず答える 周りから見れば冷たく見える態度だが、さほど気にする様子もなく康太は指定席となっている椅子に座った まあ、お約束みたいなものだから慣れたんだろうな それはそうと、今の会話でほぼ全員、理解してくれただろう ――部長と部員 そう 僕がここにいる理由 それは部活動を行うためである なんとも陳腐な理由だが仕方ない 事実なのだから
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