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「第二の封印を解除したのか?」
『あぁ。とりあえずな』
どこから伸びているのか分からない鎖しかない暗い暗い空間の中、俺は全方向から響く声の主と話していた。
奴の名はカテナ。
蒼真の深層世界の中にいる封印の意思だ。
『宿主様はあの修行で本来なら第二封印まで開放できるほどの力を得た。それならもったいぶって開放しないより解き放っといた方がいいだろ?』
確かにそうかもしれない。
力はないよりもあった方が遥かにいいからな。
だが―――
「しかしだな、蒼真の力は普通とは違う。シンクがどんな想いでお前を蒼真に施したのか知らないお前じゃないだろ?」
『あぁ、知ってる。だがなガルル、宿主様はいつかは自分の運命やキバの過去を知らなければならない日が絶対にくる。その日のためにお前はシースルで使い魔になったんだろうし俺だって自分が―――のを覚悟で宿主様の封印を解いたんだ』
「………」
『お前は親友のシンクを失ったことで少し宿主様に過保護になっている。でもな最終的に決めるのは宿主様なんだ』
「しかしだな…………」
『それに運命の歯車ってやつは既に回ってるみたいだぜ。外の時間ではついさっきだが、夜天の書の管制プログラムが宿主様の夢の中に会いに来てたみたいだしな』
「なんだと!! 夜天の書が!?」
カテナのその言葉を聞き、俺は覚悟を決めれたのかもしれない。
どんなにシンクや俺が蒼真を運命という名の鎖から逃がそうとも、その鎖はいつまでも蒼真を追いかけてくる。
そう…………いつまでも。
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