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物理,数学,哲学,工学,考古学,医学,心理学,法学….ここに書いたものはほんの一部でしかないが,これらは学問と総称される.勿論,そういう風にまとめて呼ばれるということは,共通点があるということを意味する.では,その共通点とはなんなのか.それを考えてみたいと思う.
一般的に,これら学問は(どういうわけか)理系と文系という風に二分される.勿論,理系には理系の,文系には文系の共通点があるわけだが,ここで二分されているということから,その共通点とは全て学問に通ずるものでないことは分かっていただけるであろう.その上,同じ理系と呼ばれる工学と物理の間には,大きな差があるように思える.私は物理というものを学んでいるわけであるが,工学の授業を受けるとやはり違和感を感じるのである.この違和感とはなんなのかという話は,今は本質的ではないので割愛させていただく.この違和感というものは,どこの分野から他のどの分野をみても,何かしら感じるものではなかろうか.こういう風にいってみると,共通点などあるのかと疑問に思うかも知れない.しかし,学問が学問と呼ばれる以上,それなりの答えがあるはずである.
そこで,まずは学問とはどのようにして始まったのかを簡単にまとめてみよう.
私たちの心は元来,何かを知りたい,利便性を追求したいといった欲求で満ち溢れている.その欲求を満たす過程でいろいろな情報が蓄積されていき,それが体系化され現在の学問という状態になった.人間が作りだしたものである学問は,人間の欲求によって生み出されたものであるのだ.
このことを念頭に置くと,学問というものの共通点は上文中にでてきた「情報が蓄積され体系化されたもの」という曖昧なものではなく,もっと具体的なものが見えてくるのではないだろうか.
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