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私には一番嫌いな言葉がある.「可哀想」という言葉だ.誰もが使ってしまう言葉ではあるが,そこに見え隠れする大きな慢心に気付いている人はどれだけいるのであろうか.
自分以外は他人.自己のことが自身でさえ分かっていない人間がどうして他人のことを分かることが出来ようか.何と人間の高慢なことよ.勿論分かった気になっている本人はそんなつもりはないのであろうが,その気持ちをそのまま受け入れることなんてできない.ただ嫌悪感に苛まれる.そしてそういう感情しか湧いて来ない自分にまた自己嫌悪.分かってもらえないと分かってながら人間が繋がりを求めずにいられないのは,分かってほしいからであろう.絶対に分かってくれるはずなどないのに.このように考えると,なんと人間の繋がりとは醜いものか.そして私がその人間の一人であり,そのような感情を持っていることに嫌気しかささないのである.こうして書いていることも,分かってほしいと願う感情の裏返しなのであろうから.
他人と関わるのが苦痛であるのは,それが他人と思えない自己があるからではなかろうか.
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