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翌朝。
街の奥にある城のような大きな屋敷に、一人の男の金切り声が響いた。
「大の男が何人もいて、たった二人にしてやられたとは何事だ!!しかも一人は女のガキだというじゃないか!!」
包帯を巻いた男たちは、さも情けない様で叫び散らす男を前に並んでいる。
「すみません、ツィンスター様…」
謝罪する男を鋭い眼光で睨みつけるのは、男たちに比べて小柄な男。
「貴様らに何のために金を払ってると思ってるんだ!!謝罪など腹の足しにもならんわ!!」
「し、しかしですねぇ、ホント馬鹿みたいに強い二人でして…ガキのほうも外見に似合わず馬鹿力で…」
「馬鹿はどっちだ!!言い訳はいらん!!」
机を拳で殴れば窓ガラスが鳴った。
鼻息荒く怒鳴るツィンスターは、乱れた髪を撫でつけ、純白のスーツの襟を正す。
悪趣味な柄のネクタイを締め直すと、精一杯抑えた声で話し出した。
「この私をコケにしたんだ。その二人、タダじゃおかない…生け捕りにして、私の前に連れてこい。生け捕りにした者には褒美をくれてやる」
不気味に顔を歪めて、ツィンスターは醜く笑う。
「私に刃向かったことを後悔させてやるぞ…!!」
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