5人が本棚に入れています
本棚に追加
「はっはぁ!言えてら」
二人の余裕綽々な態度に青筋を立てつつ、一人の男が前に出た。
「ツィンスター様がお呼びだ。さっさと来い」
「やっだーぁ、怖ぁーい」
ふざけた様子のジェイクに、イナは小さく息をつく。
それから男たちを一瞥した。
「私たちも用があるの。早く連れてって?殺してあげるから」
起伏のない言葉と感情のない瞳には、表現できない恐ろしさがあった。
凄んでいた男たちは一気に怯む。
「ビビらせちゃダメよ~?案内してもらうまでは優しくしなきゃ」
イナの肩を叩きながら、ジェイクはにんまりと笑ってみせた。
「…そんな風に喋ってると“オズ”そっくりね」
「げっ、それは勘弁してくれ」
男たちを置いてきぼりで話す二人に、男たちは次第に戸惑いだす。
その状況に気付いたジェイクは「ごめんごめん」と軽く謝罪した。
そして笑顔で付け加える。
「悪気はないからね?んじゃまあ…案内してもらおっかな。あんたらのボスのところまで」
最初のコメントを投稿しよう!