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―――ドォォンッ!!!!
轟いた爆発音は、ツィンスターの屋敷を地震かと思わせる程に揺らす。
「何事だ!!?」
自室にいたツィンスターは立ち上がり叫んだ。
自室に駆け込んできた大男が、必死の形相で言葉を喘ぐ。
「ツ、ツィンスター様ぁ!!あ、あ、あいつらは…化け物です!!」
そう言い終わるや否やの瞬間、男の頭が激しく左に弾かれて、その巨体は宙を舞って飛んでいく。
灰色の煙が通路から室内へと流れ込み、その煙を撒いて、二人の人影が現れた。
「こんちわーぁ。お邪魔しまくってまーす」
片手を挙げてにこやかに登場したジェイク。
その傍らにちょこんと立っているイナ。
異質な組み合わせ、状況にそぐわない登場に、ツィンスターはやや唖然とした。
しかし、すぐにニヤリと薄い唇が喜びに歪む。
「貴様らが例の二人組か。派手にやってくれたようだな」
「いやぁ、立派なお屋敷なんで壊し甲斐がありまして。俺たち手癖悪いもんで、すんませんね」
「なるほど…報告通りというわけか」
二人を恐れる様子もなく、小柄な男は嬉々として笑っている。
見たところ、ツィンスター本人に何かしらの力があるようには思えない。
なのに、あれだけの強豪な男たちを従えることができているのは何故か。
ジェイクは、確信に笑みを深めた。
「えーっと、ツィンスターさん?俺たちこう見えて賞金稼ぎなんだよね?で、俺たちの狙いはあんたじゃないんだわ。言いたいこと、分かるよな」
ツィンスターの口角が更につり上がる。
「貴様らも“あいつ”目当てか。余程死に急ぎたいと見えるな、賞金稼ぎというのは」
「死に急ぎたいなんて思ってやしないよ。死ぬなら綺麗なお姉ちゃんの谷間に埋もれて安らかに逝きたい…って、男なら誰しもそうじゃないの?」
ジェイクの言葉にツィンスターは顔を手で覆って高笑った。
「フハハハッ!!愉快な男だな。よかろう、そんなに会いたければ会わせてやる」
途端、ジェイクとイナの足下の床がパカンと開き、二人は重力のまま下へと落ちていく。
「うおっ?」
二人は特に慌てる様子もなく、落ちる身体そのままに、暗い底へと消えていった。
開いた床は、二人が完全に見えなくなってから再び閉じる。
「さぁ、ショータイムの始まりだ」
ツィンスターはそう呟くと、デスクにあったボタンを押す。
すると、デスク自体が巨大なモニターとなり、一つの光景を映し出した。
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