―世界の終末と生き残り―

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ジェイクは笑みを深めて、イナに目配せをした。 「任せていい?」 「ええ。叩き潰してきて」 「了解っ」 ジェイクが踵を返す。 それだけでツィンスターは恐怖し、身体が跳ね上がった。 慌ててもう一つボタンを押すと、バドシアスの身体に巻き付いていた鎖と拘束具が激しい金属音と共に剥がれ落ちる。 「グァァァァァアアアアア!!!!」 既に人間のそれではなく、獣の咆哮を思わせる雄叫びで空気が震える。 バドシアスの額には、ルビーより深い紅の小さな石が埋め込まれていた。 「…ごめんね」 そんな彼を見据えるイナの瞳は、静かに哀しみを抱えたものに映る。 「イナ」 心配そうに苦笑するジェイクの呼びかけに、イナは振り返らずに答えた。 「大丈夫よ。行って」 その声の強さに安心したように、ジェイクは片手を軽く上げる。 その様子を見ていたツィンスターは、必死に顔をひきつらせて口元に笑みの形をとった。 「は、はは…あ、あんなガキに…何が出来るって…?『TOB』は特殊な石で…ちょっとの力で壊れるような代物じゃ…バドシアスだって、そこらの小者とはワケが…」 ブツブツとまるで念仏のように呟き、言い聞かせる。
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