618人が本棚に入れています
本棚に追加
そう、うっとりと囁く風紀が、より一層気持ち悪く
身の危険さえ感じ
「止めろ!」
そう凄んでみるものの、恐怖感に支配された体はガチガチで
無意識に後退りしてしまう。
ガッ
「あっ!」
後退していた足が、何かを引っ掛けてしまい
体制を崩した俺は、そのまま床に倒れ込んだ。
不本意ながら、髪を撫でていた奴が咄嗟に頭を庇ったらしく
右手もいつの間にか俺の体の下に滑り降り込ませ、クッションにしてくれたらしい
痛くはなかったが
押し倒された様な体制は、より一層危機感を増した。
「次は瞳を確かめようか」
風紀はそう言うなり、俺の瞳に己の舌を差し込みペロリと舐めたのだ。
「ひやぁ!!」
俺は、一瞬何が起こったのか解らず
変な声を出してしまう。
「可愛いな敬一」
そんな事を口走りながら、今度は俺の耳に舌を這わせ
ピチャピチャと音を立てて舐めたり、甘噛みしつつブレザーのボタンを外しにかかる
「全身を確かめてみないとな」
と、耳元で囁かれた台詞に頭が危険だと警鐘を鳴らした。
俺は、気付けば奴に頭突きを食らわせて
怯んだ奴を突き飛ばすと、風紀指導室にから逃げ出していた。
最初のコメントを投稿しよう!