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「反省するところが解らないのだが…
目も髪も本物だし肌も唇も化粧とかしてねぇーよ
何なら触ってみるか?」
俺はイライラしつつ、奴の前まで行き
半ば強引に手を取ると、自分の頬に宛がう
「ほら、何も付かないだろ!!」
そう怒鳴り、風紀を睨んでやった。
いい加減にうんざりしていたのだ。
コイツには、まるで差別されている様で
先生も他の風紀も解ってくれているのに
コイツだけ…
「そうだな、頬は滑らかだ
唇はどうだろうな」
そう言うなり、空いてる片方の手で俺の唇をなぞる
「ん…」
「こっちは柔らかいな」
そう言って、目を細める風紀に驚いて目を見開く俺
何だコイツ
そう思った次の瞬間には、カッと怒りと悪寒が全身を駆け巡り
鳥肌が立ってしまった。
「もう、良いだろ!
気持ち悪い!!」
俺は、キッと奴を睨み
頬から乱暴に手を離させ、唇を這う気持ち悪い手を叩き払った。
「まだ、髪と目を確かめなくてはならないだろ?」
そう、言う風紀は厭らしい笑みを浮かべ
俺の手を取り、片方の手で髪を撫でる。
「綺麗な髪だな、まるで絹糸の様だ」
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