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「…RS?」
「そう。RSって言うのは科学的に説明できない能力を持った人間のこと」
「…ごめん。あのよくわからないんだけど」
トンネルに入って回りがチカチカ明るくなったり暗くなったりする。
どこに行くんだろう?
「例えばシオさんはアインシュタインの相対性理論の能力を持っているの」
「…うん」
よくわからないけどなんとなく相づちをうつ。
相対性理論ってなんだったけ?
そこにシオがバックミラーごしに喋りだす。
「俺の能力は蜜が言った通り相対性理論。相対性理論ってわかる?」
「…わかりません」
俺がそう言うと続けるようにしゃべり始めた。
蜜はなぜか額を押さえて困った顔をしている。
「アインシュタインは男の子に相対性理論について聞かれたんだ。するとアインシュタインはこう言った。
『大好きな友だちといっしょにいたら、1時間がたった1分に感じるけど、とっても嫌いな人なんかといっしょにいたら1分がそれこそ1時間にでも感じてしまう。そういったおのおのの時間の違ったとらえかたが、同じ人でも起こってしまうものなのだよ』と。
それは光と時間とて同様で、光の速さは時間の速さよりも速くてそこで光と時間で時差が生まれる。
その能力を持つのが俺、三上シオなんだ。俺は言うならば人間タイムマシンってとこかな?」
なげえ。
こんな場なのに雑学なげえと思ってしまった俺は重症だろうか。
でも、
「…すごい」
思わず感嘆してしまう。
「だろ?」
そう言った俺にシオが得意気にそう言った。
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