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感動している俺に、蜜がしゃべりだす。
「でね!そんな風に普通の特殊能力者はなんらかの理論や論理からもとずいて能力が成り立っているの。
でもRSは違っていて、なぜかなんらかの自然の力を操れるの。能力者から生まれし神の子と言われているわ」
「……神の…子」
「それで私は空気のRSなの」
あの闘っていた時の空気の壁を思い出す。
…空気。
「それでね、あなたは水のRSなの」
「…俺が?」
いきなり俺の話を振られ驚く。
しかも、俺がRSと言う蜜にもっと驚く。
「そう」
トンネルをぬけて光が差し込む。
もう日の出だったけ?
さっきは暗かったはずなのに。
「…きっと…なにかの間違いだと思う」
「間違いない。まだ覚醒していないだけ。神戸さんが暁博士の夢に出てきたもの。それに月影に襲われたのが決定的な証拠といえる」
「…月影って?」
そう俺が言うと蜜が歯を食いしばって言う。
「特殊能力を悪用してセカイ征服をしようとしている組織のこと。
…バカみたいだけど、それが可能なの。…それが可能な…世の中になってしまったの」
「………」
さっきみたいに堂々としていた蜜はそこにはいなくて、目の前にいるのは普通の女の子だった。
そんな蜜に俺は何も言えなかった。
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