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―カランカラン
「いらっしゃいませ」
モダンな店だ。
入り口には針金で作られたアンティークが並んでいる。
「おーい。浩二ー」
「おー、シオ」
浩二の知り合いだろうか。
金髪のワックスをかけたような髪に耳の大きな片耳ピアスの男。
その向かいに女が3人。
「こっちこっち」
その男に促され座らされる。
女を見ると一番右の女は携帯をずっといじっている。
真ん中の女はぷっくりしていてあまりいいとはいえない。
一番左で俺の向かいの女は…朝の女だ。
朝に会った女は俺をじっと見て口を開いた。
「あの…朝の人ですよね」
「はあ」
「朝はありがとうございました」
「いえ、別にたいしたことしてないし…」
「あの私、溝端蜜と言います」
「はあ、俺は神戸隆平って言います」
「おい、お前らー早速フライングすんなよ」
2人でしゃべっていると浩二が会話に入ってきた。
その時に浩二が俺に耳打ちする。
『おい俺、左の子狙いだから協力しろよな』
「はいはい」
めんどくせ。
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