特殊能力

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盛り上がる人たちをよそに俺は帰ろうかと思っていた。 開始から約1時間半がたっている。 まだまだ終わる気配はない。 しかも、当の浩二は見事なまでにアタックし、見事なまでに振られていた。 …バカだな。 「俺、用事思い出したから。帰るわ」 そうやって理由をつけて合コンを後にする。 「ありがとうございました」 ―カランカラン 薄暗い外。 人の数は多い。 俺は呟く。 「はあ、疲れた」 「そう?では、胡蝶の夢への旅路はいかが?」 聞こえた女の声。 「……誰だ?」 なんだろう? 空耳か? 最初はそう思っていた。 「胡蝶の夢!!」 そこに女の声が響いた。
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