1人が本棚に入れています
本棚に追加
盛り上がる人たちをよそに俺は帰ろうかと思っていた。
開始から約1時間半がたっている。
まだまだ終わる気配はない。
しかも、当の浩二は見事なまでにアタックし、見事なまでに振られていた。
…バカだな。
「俺、用事思い出したから。帰るわ」
そうやって理由をつけて合コンを後にする。
「ありがとうございました」
―カランカラン
薄暗い外。
人の数は多い。
俺は呟く。
「はあ、疲れた」
「そう?では、胡蝶の夢への旅路はいかが?」
聞こえた女の声。
「……誰だ?」
なんだろう?
空耳か?
最初はそう思っていた。
「胡蝶の夢!!」
そこに女の声が響いた。
最初のコメントを投稿しよう!