死んで生きる。

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さっきの浪士とは全く違う、透き通っていてどこか力強い声。 どっちかと言えば子供の声で、後ろからする。 蓮「誰?」 僕はあえて後ろを振り向かずに聞いた。 「人に名前を聞くときは、まず自分からだよ。あと、こっちを見てよ。」 めんどくさい。 でも礼儀は礼儀。振り向いて刀を置き、まっすぐ少年を見た。 蓮「『蓮』に『火』で蓮火(レンカ)。年は10。」 本当は『蓮火10』か『No,10』で、親を知らないから元々名字はない。 「へぇ、蓮火ね。僕は沖田 宗次郎。蓮火と同い年だよ。」 そういってへらっと、張り付けた笑顔を浮かべた。 沖田宗次郎?おきたそうじ・・・あの新撰組沖田総司!? 同姓同名・・・はないか。 嘉永5年とかに、タイムスリップ、とか・・・? 宗「どうしたの?物思いに耽っちゃって・・・」 蓮「っ・・・何でもない。宗次郎はどうしてここにいる?」 宗「ちょっと気分転換に、道場から抜けてきたんだ。」 は?! 蓮「それ駄目なんじゃ「総司ぃっ!!」 そういって走ってきたもう一人の青年。 何となくあの人は・・・ 総「面倒だな・・・走ろう。」 そういいながら総司は僕の手を握って走り出した。 人に手を握ってもらったことがないから少しびっくりしたけど・・・ 温かい。 「おい!待て!止まれ!」 青年は僕と総司が突っ込んで来たことにびっくりしたのか捕まえられず、通り過ぎたあとにまた追いかけてくる。 総「待てって言われて待つほど、」 青年に言い返して僕を見ると、一軒の店を指差した。 総「あそこに隠れよ。」
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