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ー沖田総司sideー
総「じゃあ、今日は僕の着物を着てください!」
蓮「ありがとう。」
そういって蓮火が少しだけ微笑んだ。
寺であった時よりも少し柔らかい表情で少し安心した。
総「じゃあ土方さん、蓮火が着替えたあとに試衛館を案内するので、夕飯の時に呼んで下さい!」
少し呆れ顔の土方さんにそう言い残して、僕と蓮火は試衛館の廊下を走った。
と、不意に蓮火が道場の前で立ち止まった。
総「どうしたの?」
道場には近藤さんや山南さん、土方さん達・・・つまり、僕以外の皆がいた。
土方さん、戻ったんだね。
蓮「総司は剣道以外にもできるの?」
総「え、僕?んーできるけど、剣道が一番まともにできるかな。」
蓮「そっか・・・僕も武術は一通りできるけど、そんなに上手くないんだ。」
そう言って笑う蓮火。
でも、なんか悲しそうな笑顔で・・・
蓮「総司?どうかしたか?」
総「え?ううん、何でもないよ。もうすぐ部屋だから、早く行こう!鬼の土方を降臨させたくないしね。」
冗談っぽく言ってみると、蓮火はクスリと笑いながら頷いた。
今度は楽しそうで無邪気な笑顔で・・・
なんとなく輝いてる気がした。
総「はい、ついたよ。服はこの中。」
襖を開け、部屋の角にある葛籠(つづら)を蓮火の前に持ってきて開ける。
なんとなく蓮火は女子のような気がするけど、当然僕の葛籠には男子用の物しか入っていない。
身長は同じ位だから大きさは合うと思うけど・・・
総「えっと・・・じゃあこれ、貸すよ。」
一応黒色で無地の着物を差し出す。
蓮「ありがとう。あと・・・その・・・」
そう言って少し眉を潜めて困ったような顔をする。
まさか・・・さ。
総「蓮火、着物・・・着れないの?」
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