序章・捻れた街に捻れた男

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夜8時15分。 目も開けずに手探りで見つけた携帯電話で時間を確認した。 遮光性の高いカーテンを使っているので、寝る時には既に部屋は暗かったが、夜の本物の暗さの中では、携帯電話の明るさ程度は頼りない物に感じる。  午後の3時過ぎに学校から帰って来て、すぐに寝たので、5時間程寝たことになる。 睡眠時間も、起床時間も俺にとっては丁度良い時間だ。  昼間買って、飲みきらなかったペットボトルのお茶を一口飲み、煙草に火を点け、煙を吸い込んだところで、遊びに出掛ける時に感じる独特の高揚感が押し寄せて来た。
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