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「次の日の朝、私は遅刻をせずに風美との約束の時間に合わせ場所で合流した。
遅刻をしなかった理由は多分、休んでいる時に昼間もずっと寝てたからだろう。
「風美。ところでマネージャーって何するの?」
「風美も昨日決まったからわかんないけど、まずはボール拭きだってよ。」
「!?ボール拭き?マネージャーってそんな事やんの?」
マネージャーも初体験、野球のルールも少しは分かるもののイマイチ理解していない私はその瞬間からもっとマネージャーを辞めたくなった。
…だって、地味じゃん。
ボール拭きって…
あ~あー
「仕方無いって。冬夏!頑張ろう!」
「もーぅ。なんて風美は偉いのかしら。
もし風美がもっと昔に産まれてたらあなたは歴史の偉人になれるよ。」
「またまた冬夏は冗談が過ぎるんだから。」
風美がこういう時に少し照れるのが可愛くて面白い。
私達はそんな話をしながら学校へ行き、ジャージに着替えた。
うちの学校のジャージはとにかくダサい。
「わっ!」
朝から誰かに後ろから驚かされた。
「風美!もーぅ。朝からやめてよー!」
でも…風美は私の目の前に居る。
えっ?じゃー誰?
私を驚かしたのは。
「よっ!お寝坊さん!今日はちゃんと起きれたのかよ。…さすがに今日は寝坊しないか。だって今日はマネージャーデビューの日だもんな。」
「えっ?寝坊はいつもじゃない…です。」
下を向いていた目線を上にするとそこにはいつも変わらない優しい笑顔…
「あら?東くん…だ。」
「あら?って事は誰だと思ったの?」
「あっ、えっとー」
「当てていい?」
小さくうなずく。
「冬真だろ。」
「うん…」
「あいつ、青山に嫌なこと言ったかもしれないけど、結構いい奴なんだぜ。」
私は東くんの言っている意味が分からなかった。
いつも思うようにあんな最低最悪な奴がいい奴だなんて有り得ない。
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