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「じゃっ、マネージャーは仕事宜しく!」
東くんはそのままグラウンドに入って行った。
私と風美は重いカゴを持ってグラウンドの隅っこに移動する。
「このカゴ重いー。」
思わず愚痴をこぼす。
風美はずっと黙ったまま。
「風美?」
「えっ?あっ…ごめん。ぼーっとしてた」
「大丈夫?」
「冬夏!私、さっき完全にやっちゃったよね?穴開いてるなんて女の子じゃないよね?どうしょう。」
「えっ?風美、その事気にしてたの?」
「う…ぅん。」
ぷはっ。
失礼ながら小さく吹き出した。
「大丈夫だよーそんな気にしないで。」
風美は頭が良くて頼れるけど、少しおっちょこちょいなんだ。
「だって東くんの顔引きつってたって。」
「あれは、笑ってたんだよ。」
「そうかなー?」
真剣に悩んでいる風美は本当に可愛い。
私も、風美みたいにもっと素直になれたらな…
それから私たちは、重いカゴを運び終えカゴの中からボールを一つひとつ取り出して磨き始めた。
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