野球部のマネージャー

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私は昔、小さい頃にアメリカに住んでいた時の事を思い出していた。 私の住んでいた大きな家には広い庭と池があった。 たくさんおもちゃもあったし、両親も私に寂しい思いをさせないようにたくさん遊んでくれた。 ただ、保育園に行っても周りの子がアメリカ人なのに対して私は日本人。 仲良くしてくれた子はいたけど、やっぱりうまく馴染めなかった事を覚えている。 友達がいなかったのは悲しくて辛かった。 ある日、隣りの家に住んでいた少し年を取った夫婦が世界中を旅してくると言ってその家を出て行ったそうだった。 小さかった私にはあまり理解出来なかったけど。 そこの家に新しく住み始めたのは日本人の家族。 私くらいの男の子がいた。 その日から毎日、私の家の庭で野球をして遊んだ。 その男の子は 「俺は、将来、プロ野球選手になる。」 とよく言っていた。 男の子は優しくてよくボールを落として泣いていた私を慰めてくれた。 その後、男の子とは別れてしまって今ではどこに居るのか分からない。 私は今、目の前にいる竹岡冬真がその男の子なんじゃないかと思った。 でも、男の子の名前が竹岡冬真だったかもはっきり分からない。 覚えていない。 別の人かもしれない。 本当に全然覚えていないのだ。 でも、あの男の子は優しい人だった。 こんな意地悪な奴じゃない。 私はもう一度冬真を見ると大きく首を振った。
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