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「家庭を知らないで育ったんなら、お前が憧れ描いていた家族を作りゃいいんじゃないの?
辛い思いや悲しい思いを経験したからこそ、家族を…家庭を…大事にすると思うよ///
それに家族って……お前が一人で頑張って作るもんじゃないだろっ?
ひなも一緒なんだから…///」
「……そっか、そうだよな///
一人よりも二人でいる楽しさを知ったくせに、肝心なところで忘れてた///」
そうか…俺はなんでそんな簡単なことにも気付かず、一人で何を躍起になっていたのだろう…
目から鱗が落ちた瞬間。
トモさんの言葉に俺の胸が熱くなる。
トモさんは優しく俺に微笑むと、また言葉を続けた。
「さっきのRenの話だけど…Renの友達が責任の重さを不安がってたじゃん?
確かに自分以外の人の人生を背負うって、スゴイことだよな…」
自分以外の人の人生を背負っていく…責任…
「でもさ…
出かける時、いつもカバン持ち歩くだろっ?
それと同じで、人生手ぶらで歩いたら不安で仕方ないと思うよ?
ある程度の荷物をカバンにつめないとさ♪
それが家庭であり、家族!
……って、結婚してない俺が言っても、なんの説得力もないんだけどな(笑)」
真面目くさったこの場の雰囲気をトモさんは笑ってごまかしたけど、俺をはじめ、まだ結婚相手も見つかっていないRen達までもが聞き入ってしまう。
こうしてバカ騒ぎするはずのバチェラー・パーティーが、トモさんの講演会となった俺たち男陣。
ひなも今頃、桃ちゃんと楽しくやっているのかな?
心の中の不安がなくなった今、結婚式が待ち遠しい俺だった。
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