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「では、誓いのキスを♪」
その神父様の声でがっくんが私に一歩近づき、ゆっくりとベールをめくる。
目が合った途端、イタズラに微笑んだがっくん。
その瞬間…
chu♪
唇が重なり、私は目を閉じた。
……までは良かったんだけど…
心の時計が5秒を過ぎても一向に唇が離れなくて、私は飛行機の中で言っていたがっくんの言葉を思い出した。
〈どーせなら芸能界一の記録、作んなきゃな♪〉
う、嘘でしょ!?///
私は唇を離そうと、少し後ろに仰け反った。
でも、すぐにがっくんに後頭部を押さえられ……
結局、唇が離れることはなかった。
「ウォッホン///」
長~い誓いのキスに痺れを切らした神父様の咳払いで、ようやくキスから解放されたのだけど…
がっくんの思惑通り、芸能界一長~い誓いのキスになってしまったような…///
恥ずかしくて俯いた私の手をぎゅっと握ったがっくん。
幸せな新婦がする顔ではないけど、ちょっとだけ口を尖らせて頬を膨らませてみた。
でも、がっくんには全然堪えている様子はなくて、逆に「してやったり!」と言わんばかりに、満足気に笑っていた。
その無邪気な笑顔を見ていたら怒る気にもなれなくて…
これからはこうやって、がっくんのペースに乗せられていくのかな?
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