Sweet Wedding

7/29
前へ
/1308ページ
次へ
「では、誓いのキスを♪」 その神父様の声でがっくんが私に一歩近づき、ゆっくりとベールをめくる。 目が合った途端、イタズラに微笑んだがっくん。 その瞬間… chu♪ 唇が重なり、私は目を閉じた。 ……までは良かったんだけど… 心の時計が5秒を過ぎても一向に唇が離れなくて、私は飛行機の中で言っていたがっくんの言葉を思い出した。 〈どーせなら芸能界一の記録、作んなきゃな♪〉 う、嘘でしょ!?/// 私は唇を離そうと、少し後ろに仰け反った。 でも、すぐにがっくんに後頭部を押さえられ…… 結局、唇が離れることはなかった。 「ウォッホン///」 長~い誓いのキスに痺れを切らした神父様の咳払いで、ようやくキスから解放されたのだけど… がっくんの思惑通り、芸能界一長~い誓いのキスになってしまったような…/// 恥ずかしくて俯いた私の手をぎゅっと握ったがっくん。 幸せな新婦がする顔ではないけど、ちょっとだけ口を尖らせて頬を膨らませてみた。 でも、がっくんには全然堪えている様子はなくて、逆に「してやったり!」と言わんばかりに、満足気に笑っていた。 その無邪気な笑顔を見ていたら怒る気にもなれなくて… これからはこうやって、がっくんのペースに乗せられていくのかな? .
/1308ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2629人が本棚に入れています
本棚に追加