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夏帆ちゃん
同じ人を好きにならなかったら、きっと出会うことはなかった人。
不器用で正直なだけに沢山の敵を作って…
そんな夏帆ちゃんを私も最初のうちは誤解していた。
アイドルというお仕事は大変なはずなのに、決して弱音をはかないところが夏帆ちゃんのすごいところ。
「おめでとうございます!お幸せに///
今日はおめでたいから、特別♪」
そう言って夏帆ちゃんが手招きをしたので、私はそっと耳を傾ける。
すると…ニコッと微笑んだ夏帆ちゃんが私の耳に手を添えて、内緒話を始めた。
「ひなさん…今日スゴくキレイ///
うぅん…今日だけじゃない…Gacktさんの隣にいる時はいつも輝いてた…
夏帆の完敗♪」
そう言って微笑んだ夏帆ちゃんは、照れ臭そうに俯いた。
「前にCOREでひどいこと言っちゃってごめんなさい…
あの時すでに結果は見えていたのに、負けって認めたくなくて…
ずっと謝りたかったのに、今日までかかっちゃった…」
「えっ?そんなことあったっけ?私、忘れっぽいみたい///
それより!トップアイドルの夏帆ちゃんに『キレイ』って言ってもらっちゃった♪
……ありがと///」
「ひなさん…お願いがあるんだけど…
……夏帆と…友達になってくれる?」
いつも強気な夏帆ちゃんの姿はどこにもない。
「うーん……今更『友達に』って言われても…それは難しいかな…
……だって……とっくに友達でしょ?私たち♪」
大人になると友達を作る機会がぐっと減るけど、私は新たに最高の友達を作ることが出来た。
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