幸せの向こう側

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幸せの向こう側って…どんな景色なんだろう? むかし読んだ雑誌にこう書いてあった。 恋愛や結婚は「山登り」だって… 山登りしたスタートはテンションも高く、足取りも軽やか。 時には雨が降ったり、強い風が吹くけど、二人で手を取り合って頂上を目指す。 絶景が広がる山頂でお昼ご飯を食べたり、写真を撮ったりと楽しい時間を過ごし、その後は下山する。 恋愛や結婚も一緒… 気持ちが登り詰めれば、あとは下るだけ… ときめく事もなくなり、日常生活はマンネリ化。 時には相手の嫌な部分が見えたりもする。 まだ本当の恋愛を知らない中学生だったあの頃は、恋愛中の気持ちを山登りに例えていることもよく理解できなくて… 他人事のようにその特集に目を通していた。 でももう立派な大人だし、きれいごとばかりで済まないことも知っている。 「楽しい!嬉しい!」だけではないって… 拓真と付き合っていた時、この例えの意味が初めてわかったような気がした。 付き合っていた時は毎日がキラキラと輝き、幸せの山頂はピーカンに晴れ渡っていた。 でもいざ下山を始めたら、登山道を転げ落ちるように毎日が荒んでいって… それからは、どの山も怖くて登れなくなった… .
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