8人が本棚に入れています
本棚に追加
眩しいくらいの日差しが、今日も教室を照りつける。
暖かい陽気に、気分も不思議とふわふわしてくる。
ーーずっとここでウトウトしていたい……
私、佐伯結は、このクラスになって初めての席替えで、窓側の一番後ろの席になった。
先生にあてられない、自由な席……いわば、優等生席だ。
とはいえ、くじ引きで引いたため、優等生だからな訳ではない。
もう、季節はあっという間に五月……
私は高校二年生になっていた。
チラリと教室を見ると、奇声をあげて騒ぐ男子や、ひたすら人の噂話を喋る女子がいた。
……クラスが何度変わっても、雰囲気はどこも変わらないな。
ずっと、同じような人に囲まれ、集団生活をしてきた。
元はといえば、この高校も、入りたくて入ったわけじゃない。
お母さんの期待に応えて、私立の有名高校に行く予定だった。
けれど、……私は、あの私立高には、行けなかった。
もともと無謀な挑戦だったが、あんなに頑張っても入れないとなると、ひどく落ち込んだ。
それだけじゃない、お母さんや、お父さんにだってーー
最初のコメントを投稿しよう!