古い洋館 Ⅰ

2/3
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
―――ざわっ。 「ひっ…。」 風邪が木を揺らす。 枝についている葉が擦れあった音に寒気を感じる…。 「か、かなり深くまで来ちゃった…。」 空を見上げると、日の光は消えていた。 急ごうと、少女は足早に先を歩いた。 少女はピンクのワンピースを着、長い髪を上で2つに結び、手には色褪せた手紙を持っていた。 少女の着ている服を見るなり、どうやら村の娘のようだ。 村の娘は足を止めた。 「迷っちゃった…。どっちに行けばいいの?」 目の前には2つに分かれた道。 此処は深い深い森の奥。 迷ってしまえば出ることは出来ない。 「どうしよう…。」 娘は目を閉じた。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!