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―――ざわっ。
「ひっ…。」
風邪が木を揺らす。
枝についている葉が擦れあった音に寒気を感じる…。
「か、かなり深くまで来ちゃった…。」
空を見上げると、日の光は消えていた。
急ごうと、少女は足早に先を歩いた。
少女はピンクのワンピースを着、長い髪を上で2つに結び、手には色褪せた手紙を持っていた。
少女の着ている服を見るなり、どうやら村の娘のようだ。
村の娘は足を止めた。
「迷っちゃった…。どっちに行けばいいの?」
目の前には2つに分かれた道。
此処は深い深い森の奥。
迷ってしまえば出ることは出来ない。
「どうしよう…。」
娘は目を閉じた。
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