14人が本棚に入れています
本棚に追加
親友の名は、桐島 真(きりしま
まこと)
友達が出来ない明確な「理由」があった俺にとって、唯一の友達だった。
登下校も、遊びに行くにも、いつもずっと一緒だった。
しかし、親の転勤により中一で急遽 隣町に引越す事になった。
何があっても高校は一緒の所へ行こうと、別れの際に約束した。
「…何があっても…か」
自虐的に微笑み、呟いた。
「…死んじまったら無理じゃないかよ…」
神は、無慈悲だ
唯一の友を奪っていった
今の俺に残されているものは、深い絶望感だけ
俺は居場所を失った
同時に、生きる意味も。
少し冷たい風にあたりながら、持ってきたマコトの好物、ビスケットを供えた。
しばし黙祷し、立ち上がり帰ろうとした。
次の瞬間ーー
大地が、崩壊した。
最初のコメントを投稿しよう!