終焉

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親友の名は、桐島 真(きりしま まこと) 友達が出来ない明確な「理由」があった俺にとって、唯一の友達だった。 登下校も、遊びに行くにも、いつもずっと一緒だった。 しかし、親の転勤により中一で急遽 隣町に引越す事になった。 何があっても高校は一緒の所へ行こうと、別れの際に約束した。 「…何があっても…か」 自虐的に微笑み、呟いた。 「…死んじまったら無理じゃないかよ…」 神は、無慈悲だ 唯一の友を奪っていった 今の俺に残されているものは、深い絶望感だけ 俺は居場所を失った 同時に、生きる意味も。 少し冷たい風にあたりながら、持ってきたマコトの好物、ビスケットを供えた。 しばし黙祷し、立ち上がり帰ろうとした。 次の瞬間ーー 大地が、崩壊した。
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