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キスされた額を触り、考える。
「フレンドリーにも限度があると思うのだが…」
「ん?どうしたの」
何…だと…!?
何事もなかったように首を傾げる浪川に陽太は戦慄した。
歩にとってでこちゅーは挨拶だとでもいうのか!?
コミュニケーションの一つなのか!?
「えっ、何?歩は帰国子女なの?それともハーフとかクォーターなの?」
「純日本人だけど?」
「なんてこったい!」
オレと同じ日本人がこんなにフレンドリーなわけがない!
「なんでもいいけど職員室いかない?」
「ああ!!忘れてた!!」
気を取り直し、職員室に向かう。
不安で一杯だったが自分を信じて進むこと数分。
目の前には職員室と書いたプレートが。
「つ…着いた…!!」
「おめでとう、陽太」
無事に職員室に着くことができ、陽太は胸を撫で下ろした。
「失礼します。1年4組、佐々木陽太です。安達先生に頼まれて転校生を連れて来ました」
この学校は1~5組までは金持ちを含んだ一般生徒、6組は特待生、7組は問題児、というように分けられている。
因みに問題児といっても、7組の生徒は家柄も成績も顔も人気も総てにおいてトップクラスである。
生徒会メンバーは全員7組だ。
ただ、授業に出ない。
生徒会メンバーだけでなく、7組の生徒は全員授業に出ない。
一定の点数をとれば授業を免除されるらしく、7組の生徒と会うことは殆どない。
「おー。悪いな」
こいこいと手振りで呼ばれている気がしたので安達先生のほうへ行く。
相も変わらずイケメンだな、おい。
といっても最後に会ったのは今朝なので変わってるはずもないのだが。
「安達ティーチャー」
「先生でいいぞ」
「あだっち」
「先生をつけろ」
カジュアルな格好に身を包んでいる担任はぱっと見、大学生のようだ。
高校生には流石に見えないが。
「生徒会長も迎えいってたならオレ要らなかったじゃないですか」
「あ?ああ。そっちはオレじゃないぞ、生徒会からの用事じゃないか?」
「ああー」
確かになんか連れて来いとか言ってたな面倒臭い。
「お前が転校生の浪川歩だな?」
「あー、はい」
「オレは担任の安達だ」
「どうも」
…川田が言ってた名前呼びイベントとやらは起きる気配がないな。
まあ、安達先生はもともとホストでも何でもない先生だからな。
王道ではない。
ただ、変態だ。
何故かオレ限定で。
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