中途半端な友人関係

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「陽太。オレ陽太の隣がいい」 「何の話…ああ、席か」 「陽太の隣はオレだけだ」 「…だ、そうだから。無理」 オレは1番廊下側の席で隣は片側しかない。 しかもその片側はいおりんなので変わってもらうことは不可能だろう。 「先生!片桐くんの席を浪川くんに明け渡せばいいと思います!」 川田が手を挙げて発言する。 明け渡すて、なんか違う。 因みに片桐はいおりんの前の席の不登校の奴だ。 「あーじゃあ、それで」 「テキトーだな」 「あの…」 怖ず怖ずと手を挙げたのはオレの前の席である学級委員長、羽田くんだ。 「オレ、この席怖くて嫌です。特に佐々木が」 「オレが怖いとかドユコト」 「席替えしてください」 「まさかのスルー!」 羽田くんはスルースキルを持ってるんだね。 すごいや…オレは思わずツッコミをいれてしまうよ。 「あ?別にいいけど」 「じゃあオレが指揮をとってもいいですか」 「おー。頼んだ委員長」 先生は椅子に座り寝はじめた。 フリーダム。 「とりあえず。佐々木、川田、須貝くん、浪川くん、片桐くん、田島は一塊で」 「なんでや!」 「関わりたくないから」 「即答!」 オタク、腐男子、不良、転校生、不登校、変態というラインナップである。 「佐々木達は解るけど。オレも一塊ってなんで?」 田島が疑問を口に出す。 むしろお前が一番関わりたくない奴だと思う。 委員長がため息をついてから一言。 「変態だから」 「あ、褒めてくれてありがとう」 笑顔だ。 気持ち悪くて鳥肌がたってきた。 黙っていればイケメンなのだが残念だ。 「絶対嫌だっ!田島だけは!田島だけは!」 「佐々木のその反応…そそるね。オレ一塊でいいや」 「意味のわからんこと言わないでくれ!」 「可愛い」 「黙って変態」 「その今にも泣きそうな顔でオレのことくわえて欲しいな」 「下ネタ!!」 ダメだ。 田島には関わっちゃだめだ。 ふと川田を見ると萌えと苦しみの合間で悶えてた。 オレ達は集まって組み合わせを決めていた。 オレ達に与えられたのは廊下側から2行の後ろ3列だ。 いおりんと歩がオレの隣を奪い合うのでじゃんけんで決めることになった。 その光景を川田は真顔で凝視していた。 結果、1番廊下側は前から歩、オレ、田島。 2行目は片桐、いおりん、川田だ。 後ろが変態とか欝だ。
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