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「それで、その話の続きは?」
「続きなんてない。オレはその場から逃げ出した」
「このヘタレが」
「いや…誰だって逃げるからな?」
多分。恐らく。きっと。
「陽太。風呂空いたぞ…川田もいたのか」
「やあ須貝。愛しの陽太くんの部屋に男がいて嫉妬したかな?」
「川田、ふざけるのも「ああ。嫉妬した」…ちょっ、いおりんヤメテ」
まるでオレがホモみたいじゃん。
イケメンだからって何でも許されるわけじゃないんだぜ、いおりん。
いおりんこと須貝伊織は同じ階の住人。
爽やかな不良、そして親衛隊もちのイケメン。
「さすが陽太だ。いいぞもっとやれ」
「川田、まるでオレが男を囲ってるようじゃないか」
「陽太はオレだけで十分だろう?」
「いおりん冗談き・つ・い☆」
「オレは至って本気だが?」
「何このコ怖い」
オレってば2ヶ月でいおりんの好感度上げ過ぎじゃない?
いつの間にフラグ建ってたの?
2ヶ月同じ階で生活して、クラスで話したり一緒に行動して、休日遊んだだけなのに…。
結構一緒にいるのね、オレたち。
「邪魔者は大人しく退散するぜ」
「えっ、川田ってばオレをいおりんと二人っきりにするつもり!?」
「川田、じゃあな」
「愉しんでねお二人さん」
「なんか字が違う!!」
どさくさに紛れて抱き着いてくるいおりん良い匂い!
…じゃなくて、待って川田!
「いおりん…オレ、お風呂に行きたいな☆なんて…」
「初めてはベッドの上がいいと思ってたんだが、陽太がお風呂でしたいと言うなら」
「勘違い乙!一人で入るんだってばよ!」
「照れなくていいんだぞ 」
「ダメだ。ネタが通じない上に話聞いてくれない」
何コレ辛い。
川田…いや、誰でもいいから助けて。
オレまだ大切なナニかを失いたくないよ!
「陽太、オレと風呂のどっちが優先?」
「もちろん風呂だよ。だから離していおりん。浴槽がオレを待っている」
真顔で答えると渋々と手を離してくれた。
やったね陽太!
「そっか、陽太はシャワーを浴びてからヤりたいんだな」
「よーし陽太くんはお風呂から上がったら春樹くんの部屋に遊びにいこう!」
もういおりんの話なんて聞かないもんね!
「じゃあ陽太が風呂に入ってる間に川田を消すか…」
一人で逃げた川田が悪いんだぜ。
オレ知らない!
ヤンデレとか知らない!
ぶつぶつ言っているいおりんを部屋から追い出し、オレは着替えを持って部屋から出た。
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