第3話 『きまぐれな時間』

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「シン君、どうしたの?」 「うん、ルカにはライムの砂糖漬けの瓶が重いかもしれないから」 優しい笑みでそう告げたシンに、ルカは口を尖らせた。 「失礼な、僕だって男なんだから大丈夫だよ」 「それは失礼」 シンはクスクス笑いながら階段を降りた。 「それにしても地下も広いんだね」 倉庫の中には、本棚にたくさんの本と、使わなくなったソファー等が置かれ、 突き当たりの棚には梅酒の瓶や、ライム漬けの瓶が並んでいた。 「あっ、これだね」 ルカは張り切ってその大きな瓶を手にした。
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