第3話 『きまぐれな時間』

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「樹利さん、その映画観たの?」 「いや、可愛からその話を聞いて、絶対死ぬ程ヤキモチ妬くことが目に見えてたから、観てないんだ。 でも、今は若いボーヤじゃないし、平気だけど」 そう言ってコーヒーを口に運ぶ樹利に、ルカは「それじゃあ」と身を乗り出した。 「観てみたいな!可愛さん」 「うん、僕も観たい」 そう言うルカとシンに、可愛は「ええ?」と目を開いた。 「や、やだな、恥ずかしいよ」 「今もカワイイ可愛さんなんだから、若い頃はもっとかわいかったんだろうね。 若くてカワイイ可愛さんに会いたいな」 そう言って哀願するような目を見せたルカに、可愛はキュンと胸を詰まらせた。
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