天使の竪琴

第５話 『レオン・マクレガー菅野家に行く』

『本当に久し振りだな、レオン』

改めてそう言ってニッコリと微笑んだ樹利に、レオンはまた言葉を詰まらせた。

こんなにも圧倒的な存在感を放っているのに、どこまでも柔らかい雰囲気。

その、包み込むような笑顔に、なぜか頬が紅潮する。

まるで緊張しているかのように。

『……ああ、今日はわざわざ、悪かったな』

素っ気無くそう答え、ゆっくりと立ち上がった。