第2話 『恋する夜』

4/41
26649人が本棚に入れています
本棚に追加
/2141ページ
孤独でいることが自分という存在がこの世にいる罰で、それは当然なのだと、思っていた。 手をつなぎ幸せそうに歩くパリスと姉を見て目を細め、そのまま自分の手を見詰めた。 この手を取って、生涯を共にする人など、きっといないのだろう。 自嘲気味な笑みを浮かべていると、 この手を、 それは小さな小さな手が、包んだ。 “本当に苦しかったね。でも、もう大丈夫よ” そう言って微笑んだ 小さな天使―――…
/2141ページ

最初のコメントを投稿しよう!