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まりあは「はいはい」と言いながら受話器を取り、「はい、小林です」と答えた。
その言葉に少し嬉しくなる。
結婚したんだから、まりあが小林と名乗るのは、当たり前のことだ。
それでもこんな些細なことが嬉しい、と感じる。
「わぁ、まいこさん、こんにちは。……ええ、あっ、それは楽しそうですね。
こちらは構いませんけど、いいんですか?
ありがとうございます。
それじゃあ、ルカに代わりますね」
まりあはそう言ったあと、
「ルカ、タツキ君から電話よ」
と子機をルカに差し出した。
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