第2話 『恋する夜』

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まりあは「はいはい」と言いながら受話器を取り、「はい、小林です」と答えた。 その言葉に少し嬉しくなる。 結婚したんだから、まりあが小林と名乗るのは、当たり前のことだ。 それでもこんな些細なことが嬉しい、と感じる。 「わぁ、まいこさん、こんにちは。……ええ、あっ、それは楽しそうですね。 こちらは構いませんけど、いいんですか? ありがとうございます。 それじゃあ、ルカに代わりますね」 まりあはそう言ったあと、 「ルカ、タツキ君から電話よ」 と子機をルカに差し出した。
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