桃太郎

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彼――安斎刃物店の店主の名は、中村安斎。 代々続く鍛冶職人の家系に生まれ、親からもその技を受け継ぎ、腕は確かなのだが…。 「くぁ~…。 働くの、だりぃ…」 このざまである。 仕事意欲は全くないようだ。 「ご飯できたでしゅよ~。 麻婆豆腐でしゅ~」 この店の家計はこの小学生が支えていると言っても過言ではなかった。 「待ってました!」 「豆腐がやしゅかったでしゅ。 こういう時に買いだめしとくんでしゅ~」 いや、その通りだった。
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