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少女を奥の客間に案内しながら桜に茶を頼んだ安斎は、畳に腰を下ろした。
道場にでも入るかのように頭を下げた少女も後に続いて正座をする。
「で?」
安斎はボサボサの頭を掻きながら話を切り出した。
その目には先程までの鋭さは微塵もない。シャキッとしろ店主。
「で、とは?」
少女もその変化に困惑したようで、すっかり毒気を抜かれてしまったようだ。
「いや、色々あんだろ。例えば下着の色とか、スリーサイズとか。あ、まず名を名乗れ。俺の名前だけばれてンのは気持ちわりぃ」
「むぅ…そうだな。拙者、藤宮結月(ふじのみやゆづき)と申す。上はサラシだが下は白、スリーサイズは…」
「あぁあぁあぁ! いいいい言うな言うな! ちっとした冗談だよ。まさか答えるとはな…」
「鼻の下が伸びてるでしゅよエロ店主」
お茶を汲んできた桜がじと目でたしなめる。
よく言った。
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