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「いったいいつになったら治るんだろうな‥」
増えた薬を片手に持ちながら病院からの帰り道に小さくため息をつきながら歩いているのがこの物語の主人公である竜崎海斗である。
全ては抗いようもなく変わるはずのない日常、彼はそう言い聞かせながら今まで生きてきた‥ 彼はこれまで幾度も入退院を繰り返しており生きる気力というものを失っていた。
彼の病気は不明だ。いや、いたって健康なのだ、データを見る限りは………
今は出た症状に対する薬を服用し症状をやわらげることしかできていない。
せめてもの慰めになるはずの両親は離婚再婚を繰り返し、その途中で出逢った相手側の連れ子だった妹の2人で暮らしている。
しかし海斗が入退院を幾度もしているうちにいつのまにか両親は離婚しどこにいるかすらわからない状態 である。
そして一番の問題は両親が残したお金は減る一方で家庭は困窮していることだった…
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