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立ち止まり、まだ視界もままならない目で、勢い良く冷蔵庫のドアを開ける。 大量に、食べ物が詰まった冷蔵庫は、賞味期限が切れた物や、腐っている物がほとんど入っている状態だ。 男は手を伸ばし、食べ物の袋を掴み切り目からではなく、そのまま袋を真ん中から引きちぎり、少しグチャッとなったものを勢い良く口に運んだ。 運んだより、詰め込んだの方が正しいだろう。 まるで獣のような、理性を失い、ただ無我夢中でソレを口に詰め込んでいた。 そして、20分が経つと、腹から込み上げてくる異物が感覚でわかる。 それから、口元を押さえながら、トイレへと足を運ぶ。 「ぅおぇええぁ。がぁっ。」 そして、便器に消化しきれなかった食べ物を0までにリセットさせる。 毎日毎日、コレの繰り返し。 男は、全ての出来事を額縁の中の世界でしかとらえていない。 ただただ、見ている。 見続けている。
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