ケモノとご主人様

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~菜乃葉視点~ クゥーンクゥーン 目を開けると見なれた天井。 窓からは二階なだけあってまぶしい日差しが私の部屋に差し込んでいる。 私はまだ眠たい目をこすりながら 声のする方を見た。 そこにはなんとも愛くるしい生き物がいる。 真っ白でふわふわで尻尾なんか振っちゃって…可愛いすぎだっ このやろう!! ふと時計を見る って! こんなことしてる場合じゃないじゃん! 私は慌て 「ユキ~♪」 隣で私を呼んでた愛犬ユキに抱きついた え?何を慌てたかって? そんなの決まってる。 私には、八時までにユキに抱きつくという使命が… そこっ!笑うな!バカとか言うなっ!! えーと…今日の予定は…… 何もないよ…ね? ん? なんか…あったような…気が…しなくも… たしか 昨日… あっ!そうだ! 昨日、幼馴染みの葵に 「明日、八時までに三角公園に来て。 遅れたら…わかってるよね?」 と黒い笑顔で言われ… 私の体からはものすごい勢いで汗…いや…私の心の叫びが… 「ユキごめん! あっ、あお、葵に呼ばれてたからっ 行ってきますっ!!」 と言い残し ダッシュで部屋をあとにした。 私が忘れ物に気づいたのは家を出た直後だった。
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