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「山田ぁー帰ろうぜー」
廊下を歩く女子高生に声をかける。
すると彼女は面倒くさそうに振り向いた。
「瀬波くん、今日もですか」
「いいじゃん、どうせ帰るところは一緒だろ」
そう言って近づくとあからさまに嫌な顔をされた。
「私、瀬波君と仲良しだと思われたくありませんが」
山田は俺の心をえぐった!
なにか悪いことでもしたかと思い返しつつ話をする。
「どうせ一人で帰るなって言われてるだろ。ちょうどいいじゃないか」
「そうですね」
もう高校生だっていうのにそんなことを言われているのには理由がある。
15年ほど前から、子供が撲殺され続けており、いまや日本の18歳以下の人口は半数以下になっていたのだ。
「怖いことです」
全然怖がっていないように山田は言った。
「早く安全な世の中になればよいのですが」
「それは同感だ」
2人、帰り道を歩くがとくに話題もないのでそんな話をする。
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