第一章

4/16
前へ
/75ページ
次へ
学校から20分歩くと、俺たちの住む笹南荘につく。 一見ボロアパートにしか見えない笹南荘は、中身もボロい。 ちなみに玄関と台所と風呂が共用になっている。 幽霊が出てもおかしくないようなところだが、お金を無駄遣いできない俺にはここしか居場所がなかった。 「おぉーっ、瀬波おかえりーっ!」 靴を脱いで笹南荘に入ると小樽が走ってくるのが聞こえた。 「わぁ!?」 そして悲鳴が聞こえたかと思うと静かになった。 「どうされたんでしょうか……?」 「さぁ……」 山田がいそいそと廊下を歩いていく。俺もそれに続いていくと、そこには床にめりこんだ小樽がいた。
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加