第1章 一日目・α はじまり

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 誰の悲鳴だろうか、安住のだったら、サイコォだ。  いや、ちょっと、待て! 待て待て待て!  ぼくは……生きて……いる?  ぼくは死ねなかった?  そんな……まさか……嘘だろ……ぼくは……生きて……いる?  そう自覚したときだった、  痛い、痛い、痛い、痛い!  生きていると意識して途端、痛みが全身に伝わっていく。  痛い、痛いっ、痛い、誰か……ぼくを、この痛みから解放してくれっ! 「ヒャーハッハッハ」  そう願ったとき気味の悪い笑い声が、頭の中に響いた。  なん……だ……?  周囲を、確認できるわけもなく、ぼくは不思議と虚空を見上げ、痛みを堪えていた。
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