序 響き渡る銃声

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そのモニターの前に座っている屈強な体つきをした強面の上官にノエルは報告書を差し出す。 その内容をしかと確認した上官は彼女に次の標的について書かれた履歴書と写真を差し出した。 写真には茶髪でフレーム眼鏡を掛けた冴えない青年が写っていた。名前はリックス・ダウホールというらしい。 (こんな奴が、標的?) そんな疑問をノエルが浮かべていると、それを察したかの様に上官がこう忠告した。 「いいか。ヴァ―ジニス。そいつは一見冴えない引きこもりの様に見えるかも知れんが、その頭脳は侮れん。今までも何人かそいつに返り討ちにされた。気を付けろ」 そんな上官の忠告に彼女は無表情でこう言い放った。 「生憎、私はこんな引きこもりに負けるほど劣ってはいません。すぐに仕留めます」 そして、ふっと微笑むと彼女は出口へと歩いて行った。
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