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「ふんっ」
まあいいか。第一、今のは喧嘩じゃなくてゴミ掃除みたいなもんだし、自分のルールを破ったことはならないだろう。
俺はただ、街を綺麗にするクリーン活動をしただけだ。
「‥‥‥帰るか。篠宮、お前ん家は?」
「神田君と同じ方」
「んじゃ途中まで一緒に行くか」
助けたのにまたカツ上げされちゃあ、かなわんからな。
「あれ?もしかしてエスコートしてくれるの?僕を」
「‥‥‥置いてくぞ」
「冗談だよ」
早足で歩く歩く俺に、篠宮は女みたいにトコトコと着いてくる。
せっかく早く帰れると思ったのに、もうすっかり空が赤くなってやがる。ただでさえ、部活で疲れてるってのに無駄な労力を使っちまった‥‥‥。
「篠宮、そういえばお前部活の道具は?」
「え‥‥‥ああ、持ってるよ。ほらっ」
篠宮は、鞄とは別にいつの間にか肩から下げている小さめのエナメルバックをぽんと叩いた。
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