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「さぁて部活行きますか」
今日の分のかったるい授業を全て受け終えた俺は、浮き足立つ自分を抑えつつ、スキップをしながら放課後の廊下を歩いていた。
「全然浮き足立つ自分を抑えられてないけどね」
「硬いこと言うなよ、篠宮」
口には出さなかったが、昨日カツ上げされそうだった事をなかったみたいに、ケロッとした顔で人の揚げ足をとる篠宮を見て、俺は少し安心する。
そうしていつものようにふたりで他愛ない会話を交わしながら、俺達は教室のある東校舎から部室寮のある西校舎へと続く渡り廊下を通り、部室に到着し、
「ちーっす」
と俺は大声であいさつをしながら扉を開け、そのあとに続きて篠宮もちょこんと頭を下げて中に入った。
「先輩達は‥‥‥‥まだか」
相変わらず狭く薄暗い部室を見回しながら俺は呟く。まあ、
「おい、とっととその扉を閉めろ。筋肉ゴリラ」
‥‥くそムカつく野郎は居るけどな。
「あ、東堂君。こんにちわ」
「篠宮も一緒か‥‥お前も早く着替えろよ」
「うんっ」
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