ープロローグー

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俺の高校生活が始まって二週間。 校庭の桜が一斉に狂ったように咲き乱れている桐成高校には、うざったらしい花粉症「ハックションっ」おっと失礼‥‥‥花粉症と共に変な噂が流行してい「ビャアクション」ええい、鬱陶しいっ。 スキあらば脱走しようと目論んでいた鼻水をティッシュで包み込み、それを丸めてズボンに入れた。今の時代ポイ捨てはいかんよ。ポイ捨ては。 「ハックション」 やべ、また鼻水が。 まあ、そんなこんなでそろそろ身体にも馴染んできた新品の制服を身に纏い、俺はその桐成高校を後にして、ひとり花粉の奴と闘いながら家路についていた。 聞いたところによると敵は去年よりも勢力を伸ばし、暫く日本各地で猛威を奮うらしい。おそろしや、おそろしや。 『おら、金出せよ。持ってるだけなぁ』 「あん?」 歩いていた道を左の路地に入ると、少し先にベタな悪役の台詞を吐きながら、ベタな不良の格好をした3人組が、やっぱりベタにカツ上げをしている最中だった。 いや、不良の影になってカツ上げされてる奴の姿は見えなかったが、多分しているだろう。 「メンドくせぇなぁ~」 俺はそう呟いて、なるべく道の端を歩くようにしてその道を進む。
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